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花粉症

子どもの花粉症が
年々増えています

子どもの花粉症が年々増えています
子どもの花粉症(アレルギー性鼻炎)、特にスギ花粉症は増加傾向にあります。
5〜9歳児の30.1%、10〜19歳児では49.5%が発症しており、10代では約2人に1人、5〜9歳児でも3人に1人が罹患している計算になります。(鼻アレルギー診療ガイドライン2024より)。
幼児は症状をうまく伝えられないため、保護者の方による観察が重要です。
当院では、お子様はもちろん、保護者の方とのコミュニケーションを大切にし、適切な治療をサポートしていきます。

子どもの花粉症の症状

子どもの花粉症の症状お子様の花粉症では、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに加え、目・鼻のかゆみ、咳など、成人と同様の症状が現れます。
また、喘息を併発することもあります。
特に幼児の場合、症状をうまく言葉で伝えられないため、注意深い観察が必要です。
春先に発熱を伴わず、鼻水やくしゃみが続く場合は、花粉症の可能性があるため、当院にご相談ください。
花粉症は、お子様の睡眠や学業、心身の発達に悪影響を及ぼす可能性があるため、早期の対応が大切です。

こんな時は花粉症かも?

  • たびたび鼻をこする
  • 頻繁に鼻をすする
  • 口呼吸をしている
  • いびきをかいて寝る
  • 目を掻く、こする
  • 目が充血したり、腫れている

また、これらの症状で睡眠の質が低下して、日中に元気がなかったり、ぼーっとしていることもあります。

子どもの花粉症と
風邪の見分け方

くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状は、花粉症でも風邪でも見られますが、原因が異なります。
風邪はウイルス感染症が原因ですが、花粉症は、アレルゲン(花粉)に対する過剰な免疫反応によって起こります。
原因疾患によってくしゃみや鼻水の特徴、症状が出る時間帯、治療法は異なります。
当院では、適切な診断に基づき、それぞれに合った治療を提供しています。

  花粉症 風邪
鼻水 さらさらで透明 ネバネバしていて黄色っぽい
くしゃみ 花粉などのアレルゲンが鼻の中に
侵入した途端に出る
冷えた空気を吸った時に出る
時期や時間帯 朝方、花粉の飛散量が増える
昼頃〜夕方にかけて強くなる
1日中変わらず続く
継続期間 花粉の飛散量時期に2週間以上続く 数日間で治る
その他の症状
  • 咳、のどのイガイガ感
  • 倦怠感
  • 頭痛(発熱することはまれ)
  • 結膜炎による目のかゆみ
  • のどの痛み
  • 発熱
  • 悪寒

※正確な診断と適切な治療が重要ですので、花粉症が疑われる場合は、自己判断せず、小児科を受診してください。
 風邪と花粉症の判別が難しい場合は、アレルギー検査を行うこともできます。

子どもの花粉症は
何歳から発症する?

花粉症の発症年齢は年々低下しており、1~2歳児でも発症するケースが増加しています。
また、ハウスダストやダニなどの通年性アレルギーを併発することもあります。
遺伝的要因に加え、花粉の飛散量などの環境要因も影響しています。

子どもの花粉症の
検査・診断方法

花粉症の診断は以下の流れで行います。

問診

症状が出現する季節や時間帯、環境因子(温度差やほこりの多い場所など)との関係、家族歴、喘息や食物アレルギーなどの他のアレルギーの有無を確認します。

鼻粘膜の観察

鼻鏡を用いて鼻粘膜の状態を観察します。
花粉症では、粘膜が青白く膨らみ、鼻水で覆われることが特徴です。

皮膚反応検査
(プリックテスト)

皮膚反応検査は、少量のアレルゲンエキス(抗原液)を皮下に注射したり、皮膚に垂らして小さな傷をつけ、皮膚の反応を観察します。
抗原に対する抗体を持っている場合、かゆみや腫れなどの症状が現れます。
検査結果に影響するため、内服している薬がある場合は、事前にお伝えください。

血中特異的IgE抗体検査

血中特異的IgE抗体検査では、採血を行い、特定の抗原に対するIgE抗体の有無を調べます。
IgE抗体は、アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が体内に入ってくると細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質を放出させます。この化学物質により、体にさまざまなアレルギー症状が現われます。
特異的IgE抗体の測定により、アレルギーの原因を特定し、より適切な治療方法を決定できます。

子どもの花粉症に対する治療

花粉症は食物アレルギーなどとは異なり、成長に伴って自然治癒することはほとんどありません。
まずはマスクの着用や吸引などを利用して、症状の悪化を防ぐ対策が重要です。
当院では、小児の花粉症治療に、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などの内服薬を処方しています。
症状に応じて、点眼薬、点鼻薬、塗り薬なども併用します。
また、スギ花粉症に対しては、根治的な治療として「舌下免疫療法」を推奨しています。
お子様の花粉症を根本的に改善し、楽しい春を過ごせることを目指しています。

子どもの花粉症は
何科を受診すればいい?

大人の場合は、症状に応じて内科、耳鼻科、眼科などを受診することが一般的です。
お子様の花粉症は、小児科・アレルギー科を受診するのが望ましいです。

当院ではアレルギー専門の診療を行っており、花粉症の症状全般に対応可能です。
長期的な薬の服用に不安がある場合は、自宅で行える舌下免疫療法も選択肢の一つです。
ご希望の方はご相談ください。

花粉症の市販薬は飲んでいい?処方薬との違い

花粉症の市販薬は飲んでいい?処方薬との違い花粉症の治療薬には、市販薬と処方薬があります。
それぞれの特徴を理解することで、自分に合った薬を選択できます。
以下に、市販薬と処方薬の違いについて解説します。

市販薬と処方薬の違い

薬には、市販薬と処方薬(医療用医薬品)があります。
処方薬は医師の処方箋が必要です。
両者の大きな違いは成分の種類です。
市販薬は、幅広い症状に対応できるよう、多くの成分を含んでいますが、効果がマイルドなことが多いです。
一方、処方薬は特定の症状にピンポイントに作用し、より高い効果を発揮します。
当院では、お子様の症状に合わせて複数の薬を組み合わせ、より効果的な治療を提供しています。

一時的な症状を
和らげるなら

市販薬は副作用を抑えるため、成分量が調整されています。
そのため、重症の場合は効果が不十分に感じられることもあります。
近年、処方薬と同量の成分を含む市販薬も増えていますが、副作用が強いものは「要指導医薬品」や「第1類医薬品」に分類され、購入時に薬剤師による説明が必要です。

治療には処方薬を

花粉症の治療には、医師の診察を受け、症状にあった処方薬を使用するのが最適です。
当院では、お子様の患者様の症状に合わせて、適切な薬を処方しています。
お気軽にご相談ください。