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舌下免疫療法/皮下免疫療法

アレルギー治療の選択肢
「舌下免疫療法」と
「皮下免疫療法」

アレルギーの原因物質(アレルゲン)のエキスを少量ずつ投与し、アレルギー反応を起こしにくい体質に変えていく治療法です。
通常の予防接種とは異なり、過剰な免疫反応を抑えるため、3~5年という長期の治療が必要ですが、根治が期待できます。
現在、「皮下免疫療法」と「舌下免疫療法」の2種類があります。

薬の服用による
「舌下免疫療法」とは

薬の服用による「舌下免疫療法」とは舌下免疫療法は、アレルゲンを少量ずつ摂取することでアレルギー反応を弱める治療法です。
3~5年と長期間にわたる治療が必要ですが、スギ花粉症とダニアレルギーの根本的な改善が期待できます。
症状の緩和・消失が期待できるほか、自宅で服用できるため通院回数が少なく、継続しやすい治療法です。
8-9割の方に効果があるとされています。
3歳以上で、薬を舌下で1分間保持できるお子様であれば治療可能です。
ダニアレルギーは通年で開始できますが、スギ花粉症の治療開始は飛散期以外の6月~12月に限られます。

治療できる病気と
使用する薬

スギ花粉症には「シダキュア」、ダニアレルギーには「ミティキュア」と「アシテア」を用いて治療を行います。

このようなお子様に
おすすめ

  • 2~4月のスギ花粉症の症状が重い方
  • ダニアレルギーの症状が年中ひどい方
  • 抗アレルギー薬による治療で十分な効果が得られない方
  • 抗アレルギー薬の副作用(眠気など)が強い方
  • 薬の服用量を減らしたい方

治療を受けられない方

  • 3歳未満または舌下投与が難しい方
  • 重症の気管支喘息をお持ちの方
  • がんや免疫疾患のある方
  • ステロイドを内服・注射している方

メリット・デメリット

メリット

舌下免疫療法のメリットは、通院は2~4週間に1回で済む(自宅で服用可能)こと、注射が不要なこと、アレルギー反応による副作用が出ることがありますが全身症状は軽いこと、などが挙げられます。
治療により症状が抑えられ、アレルギー体質を改善できる可能性があります。

デメリット

舌下免疫療法のデメリットは、毎日自宅で服用する必要があること、服用前後2時間は激しい運動や入浴が出来ないこと、長期(3~5年間)およぶ服用が必要であること、などが挙げられます。

治療の流れ(やり方)

舌下免疫療法は、初回投与を当院で行い、2日目からは自宅で1日1回服用します。
1年目から症状の軽減が期待でき、約3~5年間の継続で改善を目指します。

★始める時期★

スギ花粉症に対する舌下免疫療法は、6月~11月下旬に開始します。
花粉飛散期は開始できません。
ダニアレルギーに対する舌下免疫療法は、一年中、いつからでも開始できます。
事前検査と治療予約は随時受け付けていますので、ご希望の方は当院までご相談ください。

1アレルギー検査

過去の検査データをお持ちの方は、改めて検査を行う必要はありませんので検査結果をご持参ください。

2診断に基づく初回投与

検査結果に基づき、薬の投与を開始します。
初回は医師の見守りの下で投与を行い、問題がなければ、翌日から自宅での服用が可能となります(初回投与後、経過観察のために院内で30分お待ちいただきます)。

3再診(1週間後)

お子様によっては、1週間後に来院していただき、服用状況と副作用を確認後、問題がなければ「増量期」として薬を増量して処方・投与します。

4定期的な受診(月1回)

服用状況と副作用を確認し、問題がなければ1ヶ月分の薬を処方します。
その後は「維持期」として3年間以上服用を継続します。

5治療終了

舌下免疫療法を3~5年継続することで、7~8年間は症状の抑制が期待できます。
症状が再燃する場合もありますが、治療を再開すれば速やかに効果を得ることができます。
治療の中断は、必ず医師の指示に従ってください。

副作用

舌下免疫療法では副作用として、口の中、唇、舌、耳の中のかゆみや、鼻の症状、唇の粘膜の腫れなどが生じることがあります。
これらの症状が出た場合は、当院にご相談ください。

次のような症状は
医療機関へ

非常にまれですが、蕁麻疹、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が見られることがあり、その際は速やかに医療機関を受診してください。

注意事項

  • 治療は最低3年間継続する必要があります。
  • 定期的な通院が必要です。
  • スギ花粉症の治療開始は6月~12月下旬です(検査・予約は随時受け付けています)。
  • 重症の喘息や心疾患のあるお子様、過去に舌下免疫療法で強い副作用が出たお子様は治療を受けられません。
  • 服用後5分間は、うがいや飲食を控えてください。また、服用後2時間程度は激しい運動や入浴を避けてください(治療経過により制限は緩和される場合もあります)。

ご不明な点は、当院までお気軽にご相談ください。

注射による
「皮下免疫療法」とは

注射による「皮下免疫療法」とは皮下免疫療法は、アレルゲンの希釈液を皮下に注射し、中和抗体を誘導する治療法です。
当院では、主にスギ花粉症のお子様に対し、ご希望に応じて皮下免疫療法を行っています。
舌下免疫療法のように毎日服用する必要はありませんが、定期的な通院が必要です。
また、副作用は注射後20分程度で現れることが多いため、当院では注射後20分間は体調に変化がないか院内で経過を観察します。

治療できる病気

  • スギ花粉症
  • ダニアレルギー

効果と持続期間

皮下免疫療法は効果が高く、開始から3か月ほどで症状の改善が認められます。
3年間継続した場合、その後治療を中止しても効果が持続するケースが多いと報告されています。
また、4~5年後も80~90%に効果が持続したという調査結果もあります。
ただし、即効性はありませんので、長期的な治療が必要です。

メリット・デメリット

メリット

皮下免疫療法のメリットは、毎日の服用する必要がなく、通院のみで治療できること、ダニアレルギーとスギ花粉症を同時に治療できること、治療を継続することで、将来的にはアレルギー症状の軽減が期待でき、薬代などの医療費を削減できること、などが挙げられます。

デメリット

皮下免疫療法のデメリットは、定期的な通院が必要であること、まれに全身反応が起こること、痛みを最小限におさえた針を使用していますが、注射による投与が必要となること、などが挙げられます。

治療の流れ

1血液検査

スギ花粉に対する抗体価や、他のアレルギーの有無の確認のため、血液検査を行います。

2スクラッチテスト
(~希釈濃度の決定)

スクラッチテスト(少量のアレルゲンを皮膚に垂らし、アレルギー反応を確認する検査)を行い、適切な希釈濃度を決定します。

3注射開始(週1回)

皮下への感受性テストを行い、安全な濃度を決定したうえで、皮下注射を開始します。

4維持療法(2~4週間に1回)

アレルギー反応が起こらない濃度(原液の10万~1億倍希釈)から開始し、週1~2回の皮下注射を30~60回程度繰り返しながら、徐々に濃度を上げていきます。
維持量到達までには時間を要します。
目標濃度に到達すると、2~4週間に1回の注射へ移行します。
治療を長期的に継続することで、効果が安定しやすくなります。

副作用

最も頻度の高い副作用は、注射部位のかゆみや腫れです。
まれにアナフィラキシーや蕁麻疹、喘鳴などの全身性のアレルギー反応が起こることがあります。
ただし、これらの反応は注射後30分以内に発症することがほとんどです。
当院では注射後にしばらく経過観察し、万が一副作用が発生した場合も速やかに適切な処置を行いますので、ご安心ください。

アレルゲン免疫療法の費用

   
舌下免疫療法  
皮下免疫療法